Mac OS X 10.4 TigerでのOpenInventorのコンパイル

Mac OS X 10.4 TigerでのOpenInventor(TM)のコンパイル

By Kuratate0

First report created: June 5, 2008

（Panther-SGI Imagelib修正版はPantherでのOpenInventorのコンパイル情報のページを, Leopard版はLeopardでのOpenInventorのコンパイルのページをそれぞれ参照してください。）

10.4 TigerのXcodeの更新

Mac OS X 10.4でOpenInventorをコンパイルするには最新のXcodeが必要となります：OS付属のXcodeでは古い場合があり、コンパイル時に不具合が生じることがあります(2.4以上推奨)。また、Xcodeを最新のものにすることでOpenInventorだけでなく他のプログラム等をインストールする上で後々トラブルを避けることができます。そのため、まずXcodeを最新のものにアップデートすることが重要です。

Apple Developer Connection (ADC)にユーザー登録を行った上で、最新版をダウンロードしてインストールしてください。2008年6月現在でTigerで利用できるXcodeは2.5(Posted 30 Oct 2007)が最新で、ファイルサイズは902.9MBとのことです。

Apple Developer Connectionトップページ:http://developer.apple.com
ツールダウンロードページ:http://developer.apple.com/tools/download (ダウンロードにはADC登録が必要)

OpenInventorソースコード、関連ライブラリおよび10.3 Panther向けパッチの入手

(Many thanks to www.memntion.com!)

Mac OS X 10.3 Panther上でOpenInventor(TM)をインストールした経験のある方なら、http://www.memention.com/ivscriptをご存知かと思います。本ページにて提案する方法はこのivscriptにて記載していある方法を元に、コンパイルオプションと若干のファイル修正を行っただけですので、まずこちらの情報を参考にOpenInventor(TM)のソース、finkを用いた関連ライブラリのインストールをおよびパッチを入手します。

このivscriptにある手順をまとめると下記の通りです。

finkをインストールする
finkを用いてopenmotif3, libjpeg, freetype2, freetype2-devをインストールする
SGIよりソースinventor-2.1.5-10.src.tar.gzを入手する(http://oss.sgi.com/projects/inventor/からDownloadをクリックしてftpサーバーから入手)
inventor-2.1.5-10.src.tar.gzを展開する
ivpatchを当てる(patch -p 0 < ivpath)
環境変数DYLD_LIBRARY_PATHを設定する
(10.3 Pantherであればcd inventor, makeするだけでOK, 10.4 Tigerは次のステップへ)

10.4 Tiger 向け手順

筆者はPowerPC Mac(PowerBook G3, PowerBook G4, PowerMac G4)とIntel Mac(MacPro)とで試しましたが、微妙にPPC MacとIntel Macとでは/usr/lib等の構成が異なるようです（たまたま筆者の環境がそうだった可能性もありますが...）。そこでPPCの場合とIntel Macの場合で異なるパッチを作りました。それぞれivtiger_ppc_patchとivtiger_intel_patchとなっています。

CPUにあったパッチを加える (patch -p 0 < ivtiger_ppc_patch もしくはivtiger_intel_patch) 先のivpatchを当てていないと、これらのパッチは正常に適用されません！
cd inventor後、makeを実行する
(通常ユーザーでコンパイルすると/usr/man/man1へのインストールの所でエラーで止まる)
- PPCの場合：sudo makeをする->manのインストールからapps以下のコンパイルへと進む
- Intel Macの場合：sudo makeをしてもやはりman関係で上手くインストールできない-< cd appsしてmake

上手くapps以下のコンパイルが終了すれば、apps/tools/ivview/ivviewなどができているはずです。ivviewで、手持ちのOpenInventorファイルが上手く表示できるか確認してみてください。Intel Macではサンプルプログラムによっては正常に動作しないものもあります。(下記問題点にあるように、バイナリデータを読み込もうとすることによる問題)

問題点・参考・今後の課題など

Intel MacではバイナリのOpenInventorデータは上手く読み込めません。(Endian対策が上手く行われていないため?)
デフォルトのテクスチャのクオリティは0.5と定義されていますが、最近のシステムではデフォルト値を上げておいても良いと思います。
コンパイル前にlib/database/include/Inventor/elements/SoTextureQualityElement.hの87行目のデフォルト値0.5を0.9などにしておくと、いちいちプログラムやデータファイル中でデフォルト値を上げずに品質の良いテクスチャマッピングが得られます。
localrules.appleにおけるライブラリの追加およびそれに伴うivcommondefsにおけるライブラリパスの追加により、Tiger用パッチ適用前に比べて以下のようにエラーが解消されています。
- PowerPCの場合：inventor/make/localrules.apple
  >> LLDLIBS += -lXi -lXm -lXt -lX11 -lGLU -lGL -liconv -ldl -lstdc++.6 -lmx -lgcc_s.10.4 -lgcc -lSystemStubs
  
  各ライブラリを指定しないとlibInventor.dylibをldが作成する際に以下のエラーが出ます (-lgccと-lgcc_s.10.4を指定した場合、warning multiple definitionsが多数出てしまいますが、warningのため問題解決は先送り中...)
  - -lgccが無い場合
```
ld: Undefined symbols:
restFP
saveFP
/usr/bin/libtool: internal link edit command failed
```
  - -lgcc_s.10.4が無い場合
```
ld: Undefined symbols:
__Unwind_Resume
/usr/bin/libtool: internal link edit command failed
```
  - -lSystemStubsが無い場合
```
ld: Undefined symbols:
_fprintf@LDBLStub
_sprintf@LDBLStub
_vsprintf@LDBLStub
_printf@LDBLStub
_fscanf@LDBLStub
_sscanf@LDBLStub
/usr/bin/libtool: internal link edit command failed
```
- Intel Macの場合：inventor/make/localrules.apple
  >> LLDLIBS += -lXi -lXm -lXt -lX11 -lGLU -lGL -liconv -ldl -lstdc++.6 -lmx -lgcc_s.10.4
  - -lgcc_s.10.4が無い場合
```
ld: Undefined symbols:
__Unwind_Resume
/usr/bin/libtool: internal link edit command failed
```
inventor/libimage/libimage.aはSGI Imagelib用のライブラリです：筆者はとりあえずMac OS Xで読み込めるだけの修正を施してあります(#ifdef SWAP_BYTESによる)。64bit対応も手がけているのですが、まだ検証には至っていません。(#ifdef BITS64で対応するべく改良している)
OpenInventorで読み込める画像ファイルは、SGI Imagelib, GIFおよびJPEGのみです。これはオリジナルの仕様ですが、できれば近日中にlibtiffを使ってTIFFも読めるようにしたいと思っております。（自前でOpenInventorデータを作って処理しているのため、いろいろ使えた方が便利なもので...lib/database/src/so/nodes/SoTexture2.c++のreadImage()に手を加えるだけで実現できそうですね。）

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